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今・昔 きもの・おび 悦

猫のこと

 悦の看板には、悦ママが「狛猫(こまねこ)」と命名した、一対の猫がいます。
ネコ好きなのがバレバレな看板です。

 先日、来店されたお客様がその看板を見て、エッセイストの森下典子さんの「いっしょにいるだけで」、という本を薦めてくれました。
本屋で、ちょっと立ち読み、うるうるっときて、迷わず購入!
著者がネコとの生活を書いたエッセイですが、ネコ好きでない人もうるっとくる一冊です。

 ずう~っとずう~っと前に、兄妹の野良猫の子猫と仲良しになったことがあります。
私はキャサリン、チャーリーと勝手に名前を付けて呼んでいましたが、おそらくあちこちで餌をもらい、あちこちで違う名前で呼ばれていたと思います。
キャサリンは小さくて、グレーの毛にエメラルドグリーンの瞳、それはそれは美しい猫で、動きも優雅、「上品」という言葉はこの子のためにあるのではないかと思うほどでした。
チャーリーは白いソックスを履いたキジトラで、茶色の瞳の心優しいイケメン君でした。
 彼らと知り合って数ヶ月後、キャサリンは病気になり、ある夜私が帰宅してドアーを開けた途端、「助けてー!」っと玄関のたたきに転がり込んで来ました。あの美しい優雅だったキャサリンとは別人(猫)のようで、怖かったくらいです。チャーリーも入れてあげると、やさしい彼は心配そうに背中をなめてあげてました。
あくる朝、ダンボール箱に入れて近所の病院に連れて行きましたが、獣医さんからそれとなくキャサリンの命があとわずかなことを告げられました。帰り道、やけに軽いダンボール箱の中から、小さな声で何度も何度も鳴きました。(キャサリンも鳴くんだ・・・。)初めて、キャサリンの鳴声を聞いた気がしました。キャサリンはおとなしい猫で、その鳴声をまったくと言っていいほど聞いたことがなかったからです。
 数日後、春先のぽかぽかと気持ちのいい土曜日の朝、こっそりとキャサリンは姿を消しました。チャーリーは「大変!行っちゃうよー!」と、私に知らせようと一生懸命鳴いていたのに、気付いてあげられなかったことを今でも悔やんでいます。
お隣の白木蓮(はくもくれん)が満開だったのを、キャサリンが姿を消して初めて気が付きました。その数日間、気持ちに余裕がなかったのでしょうね。
 その後もチャーリーとは、塀の上で私の帰宅を待っててくれたり、仲良しの関係を続けていましたが、ある日、自慢げに鈴の付いた赤い首輪を付けて現れました。ちゃんと飼い主が出来て、嬉しいような寂しいような、それから少しづつ距離を置いて、気が付けば私の前から姿を消していました。

 毎年、白木蓮の花が咲くと、キャサリンのエメラルドグリーンの瞳を思い出して、寂しい気持ちになります。ここ数年は、その寂しい気持ちも少しづつ薄れてきて、今年の春は、(何年後か先にはキャサリンのことも忘れちゃうのかな・・・。)などと思っていました。
不思議なことに、「いっしょにいるだけで」の著者と猫との生活の始まりは、庭の白木蓮の切り株の根元で、野良猫が子供を産んだことからです。
「私のこと忘れないでね。」
キャサリンに、言われているような気がします。



悦が夏休みなので、着物とは関係ない、こんなにも長い文章を書いてしまった・・・。

                                               by かめ彦



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by etujapan | 2011-09-03 20:18 | ブログ